こんばんわ。株式会社 kiwami 三鴨です。
何げにちょっと暖かくなってまいりましたが。寒かったり、暖かったり・・古傷が痛むので、この時期は少々老体に堪える日々ですが。皆様いかがお過ごしでしょう?
只今、弊社では3月9日から12日までの間、東京ビックサイトで開催されるリテールテックでの展示に向けて、鋭意いろいろ製作中です。1月末の販促Expoに続いて今年早くも2度めの展示会出展になります。
https://messe.nikkei.co.jp/rt/
弊社のプロダクトの HoloVaseというホログラム版のマイクロサイネージや、ホログラムを使った、xR Cast HoloPhoneというアバター通話システムなどの展示・デモンストレーションを計画しております。アスカネットさんという提携企業のブースでの展示になります。ホログラム+アバター通話・・ちょっと未来を感じるプロダクトだと思います。
来月は展示会のレポートなどを上げさせて頂けるかと思います。
もし、会場に行かれる方がいらしたら、ぜひお声掛けください!
さて。今回は趣向を変え。プロダクトというより、若干マーケ寄りな話題を。昔から言われる理論なのにも関わらず、あまり世間に知られていないのかなぁと思った・・・
「アンダーマイニング効果」
について語りたいと。みなさん、もし自分の子供がゲームばかりやっていて、いくら注意してもゲームをやめない。やめさせたいとき、どうしますかね?正解は・・・
「ゲームをやるたびにお小遣いをあげる」
です。やったけどやめなかったじゃねぇか!と言われても責任は持ちませんが(汗)。人間の行動には大別して、
・内発的なもの > 主体的に自分がやりたいこと
・外発的なもの > お金とか、ご褒美とか、お得だからやること
大きく2つの”動機づけ”があると言われています。内発的なものとは、自分が楽しいと思うこと、心地よいからやること、自発的にやること。それは自発的にやりたいことであって、これの動機づけはとても強い。人からやめれと言われても。なかなか、やめられないヤツです。
片や。外発的なもの・・これは、親がやれっていうから、お小遣いがもらえるから、誰かが褒めてくれるから、これらの動機は常にその行動の外側にあり。これを、やめさせるのは簡単、モチベーションの拠り所を断ってしまえばいい。ご褒美をやめてしまえばいい。
こんな例があります。ある日、知的好奇心に駆られて教科書を読んでいた太郎くんはお父さんから褒められます。
太郎ちゃんは、いつも勉強して偉いねー。お父さんがお小遣いをあげよう!
一見すると。微笑ましい日常の光景に見えないこともありませんが。ここで、おきている心理変容の怖さを理解しない親のなんと多いことでしょう。太郎くんは自らの好奇心や意思で自発的に勉強していたにも関わらず、報酬を貰えるから勉強するという、動機づけのダウングレードがおきてしまうのです。これをアンダーマイニング効果と呼び、Wikpediaにこうあります。
“内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、モチベーションが低減する現象である。”
太郎君の中で・・・モチベーションが変化します・・
知らない事を知る事が楽しかった
が
勉強したら > お小遣いがもらえた
が、
お小遣いがもらえるなら > しゃーない勉強すっか
が、
小遣いももらえないのに > 誰が勉強なんかするか、ボケ
に成り下がってしまうわけですね。これはもう非行の始まりですね。
と・・・ここまで書きまして。聡明な皆さん、最近の出来事を思い出しませんかね?そう、GoTo○○です。あれを聞いたときに、僕のようなソシャゲ業界に居た人間は、少なからず「危険!」と心の中で叫んだはず??
ユーザにどのくらいの強度の報酬をどのくらい与えるのか、モチベーションが低減しないギリギリのラインはどのくらいなのか。いわゆる「報酬設計」について、かなり緻密な戦略が必要で。ただばら撒けば、長く楽しんでもらえるわけではない。むしろバラマキが死を招く。
現実に、報酬に頼らないとアクティブユーザが確保できなくなったゲームタイトルが、麻薬のように報酬を打ち続け、より強い報酬に頼るようになり、ユーザのモチベーションが下がりきって、あっという間に死を迎えてしまう・・これもゲーム業界あるあるです。
ビジネス側面で言うと、短期的な売上を求める経営サイドと、自分のゲームを1秒でも長くユーザに楽しんでもらいたいクリエイターサイドのせめぎあいですね。最近じゃユーザのほうもわかったもので、掲示板が荒れます
「運営が焼き始めた!もう。このゲームも終わりか・・」
なんて。で、GoToに話を戻すと・・大丈夫なんでしょうか。杞憂なら良いなと思いつつ・・
楽しいから毎年旅行に行ってたんだよね。
が
Gotoがあるから > 旅行に行った、なにしろお得だった!
が
お得感もないのに > 旅行になんか行くかボケ
にならんと良いなぁ、と切に願うわけです。旅行とゲームと同列に考えてはいけないのですが。雑に括ってしまえば、どちらも生活に必要は無い。長期化するコロナ禍のなか・・あちこちで聞く話として。
・必要だとおもってたこと
から
・コロナ禍で、いざしなくなってみたら・・なくても大丈夫だった
というような。そんな・・・
あったほうが良かったもの
から
なくてもよかった
へ意識変容しているのは、ニューノーマル時代のスタンダードと言ってしまえばそれまでですが、ちょっと怖いなと。僕・・旅行好きなんで。あ、外食も好きです。
で、GoTo○○を批判する色々な記事やブログやらを見ていても・・・これがアンダーマイニングのトリガーになるんじゃないか?と警鐘を鳴らしている人をほとんど目にしなかったので。この機会に記事にしてみよう!と思った次第です。
あと。ニューノーマル時代のスタンダードとして、逆に家電やゲーム機、調理器具など自宅でできることに関しては、
家にあったら楽しい
という新しい需要が生じているのは確かなようです。僕たちがいま取り組んでいる「裸眼VR」デバイスもこちらの需要に答えるべく・・来月くらいから、コアなファン層を持つ芸能人の方のコンテンツを使ってコンシューマ向け展開も計画しております。
まだ詳細は言えないのですが・・・偶然にも、いま居候させて頂いている秋葉原を拠点にしている企業様と一緒にやらせて頂く計画も持ち上がってまいりました。続報お待ちください!
では。三寒四温と言いますが、まだまだ寒い日も続くようです。
みなさま、体調にはお気をつけください。では、引き続きよろしくお願い致します。